9. 型枠・支保工

9-1. コンクリート技士試験 過去問 型枠の種類と特徴

コンクリート構造物の品質は、型枠の種類と特徴に大きく影響されます。コンクリートは型枠は転用回数が多くなるほど破損部分が多くなり仕上がりもわるくなります。昔、鳶の太った社長が現場を見に来たときたときにスラブに使用していた型枠が使いすぎていて穴が開いたこともありました。そんな型枠で施工しても仕上がりは絶対にきれいにいきません。

だけど、現場はコストもあるので極力型枠は転用回数を増やすようにされます。そうしたはざまでよいコンクリートを打設するというのはたゆまぬ観察と行動が必要です。ゼネコンや設計事務所、コンクリート関連会社で働く技術者の皆さん、一緒に型枠の種類と特徴について学んでいきましょう! 

型枠の種類と特徴 コンクリート技士試験の類似問題

問1. 型枠に関する記述として、適切でないものはどれか。

  1. 木製型枠は、加工が容易で、広く使用されている。
  2. 鋼製型枠は、転用回数が多く、精度が高い。
  3. プラスチック型枠は、耐久性が低く、転用回数が少ない。
  4. 型枠用合板は、コンクリート表面の仕上がりに影響を与える。

型枠の種類と特徴 上記の問題の解答及び解説

正解は3番です。

  1. 木製型枠は、加工が容易で、現場での対応がしやすいため、広く使用されています。 ただし、転用回数は限られています。マンションの現場でも、10回くらい使用したいのはやまやまですが、仕上がりをみると使用状況にも左右されますが、5,6回が限界かなと思うこともあります。夏場の紫外線にさらされたり、雨季の水にさらされたりと、環境により左右されます。単純な回数だけではなく現場をよく見るべきだとも思います。
  2. 鋼製型枠は、耐久性が高く、転用回数が多いため、経済性に優れています。また、寸法精度が高く、高品質なコンクリート表面が得られます。ただ、仕上がりは無機質なのでいわゆる化粧打ちっぱなしには向かないと思います。逆に外構の側溝などの打設には効果的だと私は感じます。
  3. プラスチック型枠は、軽量で耐久性が高く、転用回数が多いのが特徴です。また、複雑な形状の型枠を製作することができます。私自身はコストの関係からそれほど多用したことはないのですが、白いプラスチック型枠をたとえばスラブに使用すると、スラブ下が明るくなり作業性が良くなります。
  4. 型枠用合板は、コンクリート表面の仕上がりに大きな影響を与えます。合板の品質や継ぎ目の処理方法などに注意が必要です。継ぎ目の部分が劣化していてコンクリートの水分がそこから抜けて仕上がりが悪くなります。現場を経験されている方ならよくわかると思いますが、継ぎ目は重要ですね。
Rikisei
型枠の選定は、品質、経済性、施工性を総合的に判断して行います。

型枠の種類と特徴 覚えておくべきポイント

  • 木製型枠は、加工が容易で、現場での対応がしやすい。
  • 鋼製型枠は、耐久性が高く、精度が高い。
  • プラスチック型枠は、軽量で、複雑な形状の製作が可能。
  • 型枠用合板は、コンクリート表面の仕上がりに影響を与える。

現場管理者としては転用回数というのが実務ではポイントとなると思います。場合によっては解体工の方の解体方法にも口出しをしなければならないこともあるでしょう。でも、コンクリートの仕上がりという面ではそうした場面も避けては通れない部分だと考えます。

型枠の種類と特徴 関連知識

その他の型枠の種類と特徴は、以下の通りです。

  1. アルミ型枠:軽量で、転用回数が多い。これは私は海外の柱型枠として使用しました。くさび型の金物で締め付けて使用していました。海外では柱の寸法も600x600程度とそれほど大きくなく、柱と梁を分離して打設することがほとんどということもあり、使いやすい環境が海外ではあるのだと思います。
  2. ガラス繊維強化プラスチック(FRP)型枠:軽量で、複雑な形状の製作が可能。
  3. 紙製型枠:簡易な構造物に使用され、省資源・省力化に貢献。
  4. 発泡スチロール型枠:軽量で、断熱性に優れる。
Rikisei
型枠の種類は多岐にわたるため、適材適所の選定が重要です。

型枠の種類と特徴 復習問題とその解答

問1. 型枠に関する記述として、適切なものはどれか。

  1. 木製型枠は、転用回数が多いため、経済性に優れる。
  2. 鋼製型枠は、加工が容易で、現場での対応がしやすい。
  3. プラスチック型枠は、複雑な形状の製作が可能である。
  4. 型枠用合板は、コンクリート表面の仕上がりに影響を与えない。

正解は3番です。プラスチック型枠は、軽量で、複雑な形状の型枠を製作することができるのが特徴です。

型枠の種類と特徴 まとめ

型枠の種類と特徴を理解することは、高品質なコンクリート構造物を建設するために不可欠です。木製、鋼製、プラスチック製など、様々な材料の型枠が使用されており、それぞれの特徴を活かした選定が求められます。また、型枠用合板がコンクリート表面の仕上がりに与える影響にも注意が必要です。型枠の適切な選定と施工が、コンクリート構造物の品質向上につながることを忘れずに、日々の業務に取り組んでいきましょう。

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