こんにちは、コンクリート技士試験の受験生の皆さん。 今回は、混合セメントに使われる混和材料の適切な使用方法について解説します。 混和材料は、コンクリートの性能を向上させるために欠かせない材料ですが、 その効果を最大限に発揮するためには、適切な使用方法を理解することが重要です。
コンクリートの混和材料といえば、代表的なのが下記の4つ。
- フライアッシュ
- 高炉スラグ微粉末
- シリカヒューム
- 膨張材
以上の混和材料の特徴をしっかり捉えて覚えておきましょう。試験勉強と仕事の両立は大変かもしれませんが、ここで紹介する内容を理解することで、 コンクリートの性能向上に役立つ知識が身につくはずです。一緒に頑張りましょう!
混和材料の適切な使用方法 コンクリート技士試験の類似問題
高炉スラグ微粉末:JFEミネラルHPより引用
■問題:高炉スラグ微粉末を使用する際の注意点として、適切でないものを選べ。
- 置換率が高いほど、初期強度発現性が低下する
- 単位水量を増加させる必要がある
- アルカリまたは硫酸塩などの刺激作用によって水と反応して水和物を生成。これがスラグの粒間を埋める結合材となり凝結、固化が進行していく。なので、潜在水硬性があるといわれる。
- 長期強度の増進が期待できる
混和材料の適切な使用方法 問題の解答及び解説
正解は2です。 高炉スラグ微粉末を使用する際は、置換率が高いほど初期強度発現性が低下することに注意が必要です。 また、アルカリ刺激剤の併用により、潜在水硬性の発現が促進されることがあります。
高炉スラグ微粉末の使用により、長期的な強度増進が期待できます。 一方で、高炉スラグ微粉末の使用により単位水量を増加させる必要はありません。むしろ、単位水量を減少させることができます。
[st-kaiwa3] 高炉スラグ微粉末は適切な置換率で使用し、必要に応じてアルカリ刺激剤を併用する [/st-kaiwa3]
混和材料の適切な使用方法 覚えておくべきポイント
- 混和材料の種類に応じて、適切な置換率を設定する
- 混和材料の使用量が多いほど、初期強度発現性が低下する傾向にある
- 混和材料の使用により、単位水量を減少させることができる
- 混和材料の効果を最大限に発揮するためには、適切な養生が重要
混和材料の特性を理解し、適切な配合設計と施工管理が重要
混和材料の適切な使用方法 関連知識
シリカフューム:HSE HPより引用
- 高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカフュームは、ポゾラン反応により長期強度の増進が期待できる
- 石灰石微粉末は、フィラー効果により強度増進と乾燥収縮の低減が期待できる
- 混和材料の使用により、水和熱の低減、水密性の向上、アルカリシリカ反応の抑制などの効果が期待できる
- 混和材料を併用する場合は、それぞれの特性を考慮した配合設計が必要
混和材料の適切な使用方法 復習問題
カーボンフロンティア機構HPより引用
■問題:フライアッシュを使用する際の注意点として、適切なものを選べ。
- 置換率が高いほど、初期強度発現性が向上する
- 単位水量を増加させる必要がある
- AE剤の添加量を増加させる必要がある
- ポゾラン反応により長期強度の増進が期待できる
[st-kaiwa3]正解は4です。 フライアッシュを使用する際は、ポゾラン反応により長期強度の増進が期待できます。 ただし、置換率が高いほど初期強度発現性が低下する傾向にあります。 また、フライアッシュの使用により単位水量を減少させることができますが、 フライアッシュ中の未燃炭素量が多い場合、AE剤の添加量を増加させる必要があります。[/st-kaiwa3]
混和材料の適切な使用方法 まとめ
混和材料の適切な使用方法を理解することは、コンクリートの性能向上に欠かせません。 混和材料の種類に応じた特性を把握し、適切な置換率や併用方法を選択することが重要です。 また、混和材料の使用により、単位水量の減少、長期強度の増進、耐久性の向上などの効果が期待できます。 混和材料の特性を理解し、適切な配合設計と施工管理を行うことで、 所要の性能を満たすコンクリートを得ることができます。
こうした混和材料を使った各種セメントに関しても併せて学んでおくことをおすすめします。⇒ セメントとは?
[st-kaiwa3] 混和材料の特性を理解し、適材適所で活用することが重要 [/st-kaiwa3]
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