皆さん、こんにちは! 今日は皆さんに、プレキャストコンクリートに関する深い知識と実践的な情報をお届けします!
今回は、プレキャストコンクリートの品質を左右する重要な寸法、「鉄筋のかぶり」 と 「鉄筋のあき」 について徹底解説します!
「かぶりって何?」「あきって何?」「なぜ重要なの?」「基準値は?」そんな疑問を解消し、プレキャストコンクリートの耐久性と強度を確保するための知識を身につけましょう!
この記事を読めば、「鉄筋のかぶり」と「鉄筋のあき」の重要性が理解でき、プレキャストコンクリート製品の適切な設計、製造、検査に役立つ知識が習得できます!
さあ、プレキャストコンクリートの品質管理の要点を押さえ、長寿命なコンクリート構造物を実現しましょう!
1. 鉄筋のかぶり:鉄筋を錆から守る!
まずは、「鉄筋のかぶり」 から解説します。
「鉄筋のかぶり」(略して「かぶり」)とは、鉄筋の表面から、それを覆うコンクリート表面までの最短距離のことです。
イメージ図(鉄筋のかぶり)
+-----------------+
| コンクリート |
| +-----------+ |
| | 鉄筋 | |
| +-----------+ |
+--------|--------+
↑
かぶり厚さ(コンクリート表面~鉄筋の表面までの距離)
かぶりの役割
かぶりの主な役割は、以下の3つです。
- 鉄筋の保護:
- 最も重要な役割です。
- コンクリートはアルカリ性であり、鉄筋表面に不動態被膜を形成し、錆から保護します。
- 十分なかぶり厚さを確保することで、外部からの塩化物イオン、水、酸素などの侵入を防ぎ、鉄筋の腐食を抑制します。
- 付着強度の確保:
- 鉄筋とコンクリートの付着強度を確保し、一体化させるために必要な寸法です。
- 十分なかぶり厚さがあることで、鉄筋がコンクリートから抜け出すのを防ぎます。
- 耐火性の確保:
- 火災時に鉄筋が高温になるのを遅らせ、構造物の耐火性を高めます。
- 十分なかぶり厚さがあることで、鉄筋が熱で強度を失うのを防ぎます。
かぶり不足の問題点
かぶり厚さが不足すると、以下のような問題が発生します。
- 鉄筋の早期腐食
- コンクリートのひび割れ、剥離
- 構造物の耐力低下
- 構造物の耐久性低下
コンクリート技士試験ポイント!
- 鉄筋のかぶりは、鉄筋表面からコンクリート表面までの最短距離
- かぶりの役割は、鉄筋の保護、付着強度の確保、耐火性の確保
- かぶり不足は、鉄筋腐食、ひび割れ、耐力低下、耐久性低下の原因となる
かぶりの定義と役割は、試験で頻出です!
2. 鉄筋のあき:コンクリートの充填性を確保!
次に、「鉄筋のあき」 について解説します。
「鉄筋のあき」(略して「あき」)とは、隣り合う鉄筋間の最短距離のことです。
イメージ図(鉄筋のあき)
+-----------------+
| コンクリート |
| +-----------+ |
| | 鉄筋 | |
| +-----------+ |
| ↑ | ←あき
| +-----------+ |
| | 鉄筋 | |
| +-----------+ |
+-----------------+
あきの役割
あきの主な役割は、以下の2つです。
- コンクリートの充填性確保:
- フレッシュコンクリートが鉄筋の周りに隙間なく充填されるために必要な空間を確保します。
- 十分なあきがあることで、コンクリートが隅々まで行き渡り、鉄筋と一体化します。
- 鉄筋の定着確保:
- JIS A 1138に規定される、コンクリート中への鉄筋の定着長さを確保します。
あき不足の問題点
あきが不足すると、以下のような問題が発生します。
- コンクリートの充填不良(ジャンカ、豆板など)
- 鉄筋とコンクリートの付着強度不足
- 構造物の耐力低下
- 鉄筋の定着不足
コンクリート技士試験ポイント!
- 鉄筋のあきは、隣り合う鉄筋間の最短距離
- あきの役割は、コンクリートの充填性確保、鉄筋の定着確保
- あき不足は、充填不良、付着強度不足、耐力低下の原因となる
あきの定義と役割も、試験で重要です!
3. かぶりとあきの基準値:JIS、JSCE、建築学会
かぶりとあきの基準値は、構造物の種類、使用環境、部材の種類などによって異なります。
主な基準としては、以下のものがあります。
- JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)附属書E(プレキャストコンクリート部材):
- プレキャストコンクリート製品のかぶり、あきについて規定しています。
- コンクリート標準示方書(土木学会):
- 土木構造物のかぶり、あきについて規定しています。
- 建築工事標準仕様書・同解説 JASS 5 鉄筋コンクリート工事(日本建築学会):
- 建築物のかぶり、あきについて規定しています。
これらの基準値を参考に、設計、製造、検査を行う必要があります。
例:JIS A 5308 附属書E
JIS A 5308 附属書Eでは、プレキャストコンクリート部材の鉄筋かぶりについて、以下の表のように規定しています。(一部抜粋)
部材の種類 | 環境条件 | 最小かぶり(mm) |
---|---|---|
柱 | 普通 | 20 |
厳しい | 30 | |
梁 | 普通 | 20 |
厳しい | 30 | |
壁 | 普通 | 15 |
厳しい | 25 | |
床版 | 普通 | 15 |
厳しい | 25 |
- 普通:通常の環境
- 厳しい:海岸地域、腐食性ガスのある場所など
また、鉄筋のあきについては、以下の規定があります。
- 呼び名の数値以上(例:D13 なら 13mm 以上)
- 粗骨材の最大寸法の1.25倍以上
- 25mm以上
これらのうち、最も大きい値が最小あきとなります。
注意点
- 上記の基準値は、あくまでも最小値です。構造物の重要度や使用環境によっては、より大きなかぶり、あきが必要となる場合があります。
- 設計図書や特記仕様書に、特別な規定がある場合は、そちらに従う必要があります。
4. プレキャストコンクリートにおける、かぶりとあきの確保
プレキャストコンクリート製品では、工場で厳格な品質管理のもと、かぶりとあきが確保されます。
かぶりの確保
- スペーサーの使用:鉄筋と型枠の間に、プラスチック製やコンクリート製のスペーサーを配置し、かぶり厚さを確保します。
- 型枠の精度:高精度の型枠を使用し、鉄筋の配置精度を高めます。
- 鉄筋の加工精度:鉄筋の曲げ加工などを正確に行い、設計通りの位置に配置します。
あきの確保
- 鉄筋の配置設計:設計段階で、鉄筋の間隔を適切に設定します。
- 鉄筋の結束:鉄筋同士を結束線でしっかりと結束し、間隔を保持します。
- 配筋検査:鉄筋の配置、かぶり、あきが、設計通りになっているかを目視や測定器具で確認します。
5. まとめ:かぶりとあきを守り、プレキャストコンクリートの品質を確保!
今回は、プレキャストコンクリートの「鉄筋のかぶり」と「鉄筋のあき」について、詳しく解説しました。
- かぶりは、鉄筋表面からコンクリート表面までの最短距離で、鉄筋の保護、付着強度の確保、耐火性の確保に重要
- あきは、隣り合う鉄筋間の最短距離で、コンクリートの充填性確保に重要
- かぶりとあきの基準値は、JIS、JSCE、建築学会などの規格で規定されている
- プレキャストコンクリート製品では、スペーサーの使用、型枠の精度向上、配筋検査などによって、かぶりとあきを確保する
かぶりとあきは、コンクリート構造物の耐久性と強度を左右する、非常に重要な寸法です。この記事で学んだ知識を活かし、プレキャストコンクリート製品の適切な設計、製造、検査を行い、長寿命なコンクリート構造物を実現しましょう!
これからも、プレキャストコンクリートに関する様々な情報をお届けします。一緒に、プレキャストコンクリートの可能性を広げていきましょう!
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