1-1.コンクリート技士試験 過去問 セメントの種類と特徴

1. セメント・混和材料

こんにちは。コンクリート技士試験の受験生の皆さん。 セメントはコンクリートの主要材料の一つであり、その種類や特徴を理解することは非常に重要です。 ここでは、セメントの種類と特徴について、過去の試験問題を交えながら解説していきます。 忙しい日々の中で勉強時間を捻出するのは大変かもしれませんが、 これから紹介する内容を少しずつ理解していけば、必ず合格に近づくことができるはずです。一緒に頑張りましょう!

セメントの種類と特徴 コンクリート技士試験の類似問題

問題1:早強ポルトランドセメントの特徴として、適当でないものを選べ。

  1. 普通ポルトランドセメントよりも比表面積が大きい
  2. 普通ポルトランドセメントよりも初期強度の発現が大きい
  3. 普通ポルトランドセメントよりも長期強度が大きい
  4. 普通ポルトランドセメントよりも水和熱が大きい

セメントの種類と特徴 問題の解答及び解説

正解は3です。 早強ポルトランドセメントは、普通ポルトランドセメントと比較して、 粉末度が高く、初期強度の発現性が大きいのが特徴です。 また、水和熱も大きくなります。 ただし、長期強度は普通ポルトランドセメントとほぼ同等か、若干小さくなる傾向があります。粉末度が高いとはつまり目が細かいということ、そして単位重さあたりの表面積が大きくなることを言っています。

表面積が大きくなるということは、反応する部分が多くなるわけです。だから初期強度の発現性が早強ポルトランドセメントにおいては大きくなるのです。

セメントの種類比表面積 (cm²/g)比表面積基準(cm²/g)凝結 始発(min)
普通セメント3100〜3600≧2500≧60
早強セメント3900〜4700≧3300≧45
超早強セメント5500≧4000≧45
中庸熱セメント2900〜3300≧2500≧60
低熱セメント3000〜3300≧2500≧60
耐硫酸塩セメント3000~≧2500≧60

中庸熱セメントと低熱セメントは、上記表では違いはわかりにくいですが、中庸熱セメントは水和熱を低くしたセメントであり、C3SとC3Aの含有量を制限し、C2Sをかなり多くしたものです。乾燥収縮が小さいという特徴があり、ダム、大規模橋脚工事で使われます。

[st-kaiwa3] 早強ポルトランドセメントは初期強度発現性が高いが、長期強度は普通ポルトランドセメントと同等か若干低い [/st-kaiwa3]

セメントの種類と特徴 覚えておくべきポイント

  • ポルトランドセメントには、普通、早強、中庸熱、低熱の4種類がある
  • 高炉セメント、フライアッシュセメントなどの混合セメントもある
  • セメントの種類により、強度発現性や水和熱、耐久性などの特性が異なる

セメントの種類と用途に応じた特徴を理解することが重要。とくに私のようにゼネコンにいる方だとセメントの細かいポイントって意外に触れることが少なく、知識として覚えていません。少なくとも私はそうでした。

なので、とくにゼネコンの方はこのセメントの章の知識をしっかりと覚えることは覚えるというスタンスで勉強されることをお勧めします。あいまいな知識は選択肢を選ぶときに迷うもとです。ですので、しっかりと要所をおさえましょう。

セメントの種類と特徴 関連知識

  • 中庸熱ポルトランドセメント:中庸熱ポルトランドセメントは水和熱が小さいため、マスコンクリートに適している
  • 低熱ポルトランドセメント:ダムなどの大規模構造物に用いられる
  • 高炉セメント:高炉スラグを混合したセメントで、長期強度や耐久性に優れる
  • フライアッシュセメント:フライアッシュを混合したセメントで、長期強度や水密性が向上する

中庸熱ポルトランドセメントは私は使用したことがないのですが、逆に高炉セメントは基礎部分の仕様としてはいっていたので、つかったことがあります。公共の建物だったこともあり高炉スラグのような再生品を利用した材料を積極的に使おうと意図したのだと思います。

ちなみに、高炉セメントもなかなか強度があがらず一般的な強度のコンクリートに慣れていた私は内心ドキドキしたことを思い出します。ちなみに高炉セメントは普通ポルトランドセメントのクリンカと石膏とは別に、製鉄所の溶鉱炉から製造の過程で生成されてしまう高炉水砕スラグを混合して製造しています。

普通ポルトランドセメントよりも水和熱が低く、固まった後は化学抵抗性が強いことから先の基礎だけでなく土木工事で使われる橋脚やダムなどにも使われます。

セメントの種類と特徴 復習問題

問題:以下のセメントの中で、水和熱が最も小さいものはどれか。

  1. 普通ポルトランドセメント
  2. 早強ポルトランドセメント
  3. 中庸熱ポルトランドセメント
  4. 低熱ポルトランドセメント

[st-kaiwa3] 正解は4の低熱ポルトランドセメントです。 低熱ポルトランドセメントは、大規模構造物での温度ひび割れ防止を目的として開発されたセメントで、水和熱が最も小さくなっています。 [/st-kaiwa3]

セメントの種類と特徴 まとめ

セメントの種類と特徴について理解することは、コンクリートの性能を左右する重要なポイントです。 普通、早強、中庸熱、低熱の4種類のポルトランドセメントに加え、 高炉セメントやフライアッシュセメントなどの混合セメントの特徴を押さえておきましょう。 用途に応じて適切なセメントを選定することが、良質なコンクリートを得るための第一歩となります。

なお、今日説明した高炉セメントはその微粉末の分量で、A種、B種、C種と分類されます。こうしたことがコンクリート技士の試験ではポイントとなってくるのでしっかり覚えておきましょう。ちなみに、微粉末の量が5%を超え30%以下ならA種。30%を超え、60%以下ならB種。60を超え、70%以下ならC種です。この中でよく使われるのがB種で、普通ポルトランドセメントがNと記載されるのに対して、高炉セメントB種はBBと記載されます。

たまに「BBを使って」などと現場でも使われる用語なので覚えておくとよいでしょう。ちなみに早強セメントは「H」です。このようにどんどん紐づけて知識を覚えておくと、効率的にしっかりと暗記できます。こんなコツも覚えておくことをお勧めします。

[st-kaiwa3] セメントの種類と特徴を理解し、用途に応じて適切に選定することが重要 [/st-kaiwa3]

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