コンクリートの締固めは、打込み後の品質を大きく左右する重要な工程です。ゼネコンや設計事務所、コンクリート関連会社で働く技術者の皆さん、一緒にコンクリートの締固め方法と注意点について学んでいきましょう! 昔、職人さんから「バイブレーター(内部振動機)の入れるピッチわかってるか?」と聞かれたことを今でも思い出します。コンクリートを打設するにあたりポイントを押さえてしっかりと職をまっとうする職人さんもいればそうでないこともあります。
やはり、こうした締め固めのポイントにしてもしっかりと数値で抑えて現地で共有していくことがコンクリートの品質に重要です。壁や柱の足元まで届くのか、届かないならどうするのか? そうしたことも現場では抑えていかねばなりません。そういえば、竹を用意して化粧打ち放しの壁は打設した記憶があります。当時の主任が「結局竹が一番!」といっていたことを思い出します。
コンクリートの締固め方法と注意点 コンクリート技士試験の類似問題
問1. コンクリートの締固めに関する記述として、適切でないものはどれか。
- 内部振動機の挿入間隔は、有効半径の1.5倍程度が適切である。
- 内部振動機の挿入時間は、5秒程度が適切である。
- 型枠振動機は、型枠の大きさに応じて適切に配置する。
- 表面振動機は、スラブの締固めに適している。
コンクリートの締固め方法と注意点 上記の問題の解答及び解説
正解は2番です。
- 内部振動機の挿入間隔は、有効半径の1.5倍程度が適切とされています。これにより、振動が十分に伝わり、コンクリートが均一に締め固められます。
- 内部振動機の挿入時間は、 コンクリートの表面に気泡が出なくなるまでが適切 です。一般的には、10~20秒程度が目安とされています。5秒程度では、十分な締固めが行えない可能性があります。
- 型枠振動機は、型枠の大きさや形状に応じて、適切な位置に配置する必要があります。これにより、型枠全体に振動が伝わり、均一な締固めが行えます。
- 表面振動機は、 スラブなどの面的な部材の締固めに適しています。 内部振動機では届きにくい表面付近を効果的に締め固めることができます。
1番の説明が少しわかりにくいですが、一般的には、40mmの直径のバイブレーターであれば有効範囲がその約10倍の400㎜程度。つまり、400㎜ 以内ごとにバイブレーターをかける必要がでてきます。そして、今回の場合有効半径は200㎜となり、その1.5倍ということは300mm以内ごとに挿入しましょう、ということです。
これが25mmの細いバイブレーターの場合、250㎜が有効範囲で有効半径は、125mmとなり、その1.5倍は187.5㎜となるので、200㎜弱ピッチ以内で挿入が必要となります。こうしたことは、事前に職長につたえておいて、なおかつ、コンクリート打設の朝に実際に打設関係するすべての人間に周知することで、よりよいコンクリート打設が可能となります。
コンクリートの締固め方法と注意点 覚えておくべきポイント
- 内部振動機の挿入間隔は、有効半径の1.5倍程度とする。
- 内部振動機の挿入時間は、気泡が出なくなるまでとする。
- 型枠振動機は、型枠の大きさに応じて適切に配置する。
- 表面振動機は、スラブの締固めに適している。
コンクリートの締固め方法と注意点 関連知識
コンクリートの締固め方法には、以下のようなものがあります。
- 内部振動機:棒状の振動機をコンクリート中に挿入して締め固める。
- 型枠振動機:型枠に取り付けて振動を与え、締め固める。
- 表面振動機:コンクリート表面に当てて振動を与え、締め固める。
- 外部振動機:型枠の外側から振動を与え、締め固める。
コンクリートの締固め方法と注意点 復習問題とその解答
問1. コンクリートの締固めに関する記述として、適切なものはどれか。
- 内部振動機は、できるだけ長時間同じ場所に挿入するのが効果的である。
- 型枠振動機は、型枠の大きさに関係なく、等間隔に配置するのが良い。
- 表面振動機は、深い部材の締固めに適している。
- 振動機の有効半径は、挿入間隔の決定に用いられる。
正解は4番です。振動機の有効半径は、 挿入間隔の決定に用いられます。 一般的には、有効半径の1.5倍程度の間隔で挿入することが推奨されています。
コンクリートの締固め方法と注意点 まとめ
コンクリートの締固めは、打込み後の品質を確保するための重要な工程です。内部振動機の挿入間隔と時間、型枠振動機の配置、表面振動機の適用範囲など、 締固め方法の特徴と注意点を理解し、適切に実践することが求められます。 これらを押さえて、密実で均一なコンクリートを得るように努めましょう。