本日の記事に関して
こんにちは、Rikiseiです。本日は、「コンクリートの強度管理と合否判定」に関してのコンクリート技士過去問の類似問題です。
コンクリートは生き物です。同じ配合で練っても、材料のわずかな変化や試験の誤差で強度は必ずばらつきます。この「ばらつき」をどう評価するかが、現場管理の腕の見せ所ですね。
さて、私は最近、英語学習の一環として海外のサッカー中継を英語副音声で聞いているのですが、解説者が放つ「Solid as concrete!(コンクリートのように固い守りだ!)」というフレーズがお気に入りです。(冗談です)
ただ、二日酔いの翌朝の私の意志は、コンクリートと違い脆いのが悩みどころ。美味しいお酒を適量で切り上げる「自己抑制能力」も、もう少し高めていきたいものです。というわけで、今日はコンクリート技士の類似問題を通して品質管理におけるばらつきを理解していきましょう
コンクリート技士過去問の類似問題1
JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)における圧縮強度の合否判定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
(1) 1回の試験結果は、任意の1運搬車から採取した3個の供試体の試験値の平均値とする。
(2) 1回の試験結果は、購入者が指定した呼び強度の値の85%以上でなければならない。
(3) 3回の試験結果の平均値は、購入者が指定した呼び強度の値以上でなければならない。
(4) 連続する3回の試験結果の平均値が呼び強度を下回った場合、その間の運搬車すべてを不合格として破棄しなければならない。
コンクリート技士過去問の類似問題1の解答・解説
正解:(4)
- (1) 正しい: 1回の試験結果は、同一試料から作った3個の供試体の平均値で表します。
- (2) 正しい: 合格基準の1つとして、1回の試験結果が呼び強度の85%以上であることが定められています。
- (3) 正しい: もう1つの合格基準として、3回の試験結果の平均値が呼び強度以上である必要があります。
- (4) 誤り: JISの合否判定は「ロット」に対して行われます。不合格となった場合は、そのロットの代表性を考慮して協議が必要になりますが、直ちにすべてを破棄するという規定ではありません。
コンクリート技士過去問の類似問題2
コンクリートの強度のばらつきと配合強度の決定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
(1) コンクリートの強度のばらつきは、一般に標準偏差または変動係数で表される。
(2) 強度のばらつきが大きくなるほど、配合強度は呼び強度に対してより大きく設定する必要がある。 (3) 現場における強度の標準偏差は、工場の製造管理状態が良好であるほど小さくなる。
(4) 強度のばらつきを小さくするためには、単位水量をできるだけ大きく設定することが有効である。
コンクリート技士過去問の類似問題2の解答・解説
正解:(4)
- (1) 正しい: 品質の管理状態は、標準偏差などの統計的な値で評価します。
- (2) 正しい: ばらつき(標準偏差)が大きいと、下振れするリスクを考慮して、平均値としての「配合強度」を高く設定しなければなりません。
- (3) 正しい: 管理が徹底されている工場ほど、強度の変動が抑えられ、標準偏差は小さくなります。
- (4) 誤り: 単位水量を大きくすると、材料分離のリスクが高まり、かえって強度のばらつきを助長します。ワーカビリティーを確保しつつ、単位水量はできるだけ少なくすることが基本です。
ばらつき、つまり標準偏差や変動係数とはこちらに詳しく書いています >>標準偏差・変動係数
コンクリート技士過去問の類似問題3
コンクリートの品質管理に用いられる管理図に関する次の記述のうち、JIS A 5308の趣旨に照らして正しいものはどれか。
(1) 管理図において、点が1点でも管理限界線の外に出た場合は、異常原因があると判断して直ちにアクションを起こす必要がある。
(2) 点が中心線の片側に連続して7点以上並んだ場合でも、すべて限界線内であれば「管理状態は良好」と判断する。
(3) 強度の管理図において、点の並びに周期性が認められる場合は、管理が極めて安定していることを示す。
(4) 管理図の管理限界線は、呼び強度の値をそのまま用いて設定する。
コンクリート技士過去問の類似問題3の解答・解説
正解:(1)
- (1) 正しい: 管理限界線の外に点が出ることは、確率的に極めて稀なため、何らかの異常(材料の変化、計量ミス等)が発生したと判断します。
- (2) 誤り: 連続して片側に点が並ぶ(ラン)場合は、中心値がシフトしている「異常」とみなします。
- (3) 誤り: 周期性があるということは、外部要因(気温の変化等)の影響を強く受けていることを示唆しており、安定した状態とは言えません。
- (4) 誤り: 管理限界線は、過去のデータの統計量(平均値や標準偏差)に基づいて計算して設定するもので、呼び強度の数値そのものではありません。
本日のテーマのまとめ
本日はコンクリートの「呼び強度」と「ばらつき」をテーマにしました。
- JISの合否判定は「1回が呼び強度の85%以上」かつ「3回平均が呼び強度以上」
- ばらつき(標準偏差)が大きいほど、安全を見て配合強度を高くしなければならない。
- 管理図は、限界線からはみ出すだけでなく、並び方のクセ(偏りや周期性)を見抜くのがプロの技。
試験でも現場でも、「平均」だけでなく「ばらつき」に目を向けることが大切です。これは人間関係も同じかもしれませんね。誰にでも「調子の波」はあります。
たまに標準偏差を大きく外して大失敗する後輩がいても、「これは統計的な誤差の範囲内だ」と広い心で接してあげたいものです。ただし、その後の「是正処置(飲みニケーション)」の水セメント比は、濃いめに設定するのがコツです。



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